真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室〜
講談社のウェブマガジン「mi-mollet(ミモレ)」がお届けする“聴く読書会”。ミモレ編集部のブックレビュー担当・バタやんこと川端がおすすめの本や心に響くフレーズをご紹介します。
今回は「真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室」の担当でもありますミモレ編集部ブックレビュー担当のバタやんさんにお話を伺います。
バタやんさん、よろしくお願いいたします。
バタやんです、よろしくお願いします。
Podcastをを始める前、Podcastに対してどのような印象やイメージを持たれてましたか?
すごくたくさん聴いているリスナーではなかったんですけど、Podcastを始めようかなと思ってからはかなり色々な番組を聴いたりしています。
ラジオとPodcastって似ているのかなと思ったんですが、割と似て非なるものだなと。
ラジオの方がもう少し皆さんとリアルタイムで共有している感じがあって、Podcastは好きな時間に聴けるのでもっとパーソナルで1人対1人という感覚があるのでそこが面白いなと思ってました。
実際にミモレさんでPodcastをやっていこうとなったのは、どういう背景があったんでしょうか?
個人的な背景とメディア的な背景と両方あります。
個人的には2018年ぐらいから編集部としてインスタライブを毎週配信していて、その前からWebの編集者として10年ぐらいやっていたので、テキストをやりライブや動画をやって、次は音声をやりたいなって思っていてちょっとずつ研究を始めてました。
また、コロナが去年(2020年)からあって、編集部としても大がかりな撮影だったりインスタライブもゲストを呼んで、プレスルームで何人も接触しながら撮影することが難しい状況になってきてしまったという背景があります。
Podcastだったら1人で自宅で収録もできますし、自宅でなくてもどこからでも収録して配信までが完結できるので良いのではないかなということで編集長に提案して、2020年4月からスタートしました。
そうなんですね。
「真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室」はどのような番組でしょうか?
簡単に言うと、本を紹介する番組です。
ミモレのサイトからリクエストやメッセージ、お悩みを投稿できるようになっているので、リスナーさんからのお悩みやリクエストにお答えする形で私から1冊本を紹介するスタイルをとってます。
コンセプトは、本とリスナーからのお悩みやメッセージを掛け合わせてるような形ですかね?
そうですね。本自体を紹介することに重きがあるときと、そのお悩みという名の「テーマ」について語ることに重きがあるときがあります。
配信スケジュールは?
毎週水曜日の夜10時に配信しています。
何で水曜日の夜に配信しようと思ったかというと、なんだか水曜日の夜って疲れてるじゃないですか(笑)。
月曜、火曜、水曜って3日間働いて、ウィークデーであればまだあと2日もあるという一番しんどいタイミング。
以前、バスクリンさんに取材をしたときに、水曜日の夜にちゃんとお風呂で湯船に浸かると疲れがとれて、その後がリフレッシュして活動できるという話を聞いたことがあって、そのお風呂のようなものというか水曜日の夜にちょっとリフレッシュしてほっとして、よく眠ってもらえたら良いなというコンセプトです。
エピソードの時間の尺は?
正味が10分で、オープニングとエンディングで定形の文章をお伝えしているので間で10分となんとなく決めてます。
「真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室」を企画した背景を教えてください。
先ほどお話ししたインスタライブでインスタ読書会という、読者の方とコメント欄でコミュニケーションをとりながら本を紹介したり、作家さんに来ていただいたり、担当編集者に来てもらって話を聞くみたいなことをやっていました。
それをもうちょっとライトに、いつでも気軽に聴いてもらえるような形でやりたいなということが元々の企画です。
インスタライブからの流れで?
そうですね。ミモレの媒体自体の読者の方たちが30代・40代・50代の女性の方が多いので、皆さんお仕事されていたり子育てをされてたりすごく忙しい。本は好きだったけど、なかなか集中して読む時間がないとか、最近あまり読めないとおっしゃる方が多くて、本を読めないことを罪悪感のように思って欲しくないなという気持ちもあって。耳だけだったら、ながら聴きしてもらえるし、別に全部読み切らなくても読んだ気になってもらえたら良いなという意味もあって始めました。
やっぱりバタやんさんは、本が好きっていうことですよね?
そうですね(笑)。
本良いですよね、僕も結構好きです。もちろん波はあるんですけど、活字中毒なときがあったりして読むときは一気に読んじゃいますね。
波があるっていうのはすごくわかります。すごく良く読むときと離れるときがありますね。
構成で何か大切にしてることやポイントはありますか?
リクエストにお答えして、図書室という体裁にしているので、私から1冊勝手に貸し出しカードという形で本を貸し出しているイメージで話をしています。
図書室って本当はお喋りしちゃいけない、静かにしなきゃいけない場所ですけど、そこで喋っているテイにしたいなと思っているので、あまり声を張らずに、大人数に向かって喋るというよりは、図書室で隣に座った人が気が合いそうだから話しかけてるみたいな、1人にしかも隣ぐらいの距離で喋ってるぐらいの声のトーンにしようと。あと図書室がすごく静かだから、あまり声を張り上げたり、リアクションを大きくしたりしないっていうことを意図的にやってます。
その話しを聞くと、確かにそうだなってわかりますね。
僕は真夜中というところで、ちょっと落ち着いたトーンで話されてるのかなと思っていたんですが、図書室で隣の人に語りかけるスタンスだと、あのトーンになりますよね。
そうなんです。だから、夜だしそのまま寝落ちしてもらったら良いなっていうのもあるんですけど、あまり抑揚をつけたりとか、この後どうなる!?みたいにすごく煽ったりしない感じで喋ろうって。
ちゃんと考えられてるんですね。
ちなみに、例えば第69夜の「夜」ですね。69回ではなく、やっぱりこの「夜」にしたのも何か意味があったりするんですよね?
真夜中としているので、夜の時間帯を一緒に過ごしているイメージですね。
最後「おやすみなさい」って言って締めるんですけど、途中で寝ちゃって「おやすみなさい」まで聴いたの初めてですとかコメントいただいたりして。それはそれで嬉しいなと思ってます。
リスナーの方からのメッセージは結構あるんですか?
ミモレでインスタライブをやっていた頃からの方もいますし、Podcastを始めてみて、すごく若い方だったり大学生で就活中の方、あと海外に住んでらっしゃる日本人の方からメッセージをいただくようになってそれは嬉しいですね。
そうなんですよね。Podcastって海外からもメッセージが来るんですよね。僕も「MOOKSTUDY日本の歴史」という番組をやっていて、本当に海外の方からリクエストが来るんですよ。
きっとすごい楽しみでしょうね。
海外からメッセージが来ることは想定されてましたか?
いや、あまり想定してなかったですし、アメリカや中国だけじゃなくて、本当に幅広く色んな国からPodcastって聴いてもらえるのでそれは楽しいですね。
他に何か構成の部分でこういうところを「実は」意識してるんです、みたいなことはありますか?
最後に神フレーズといって、本の中から一行だったり一節だったりを読み上げるようにしています。
結局本の紹介って私がいくらこの作品が素晴らしいとかこの作家さんがどんなにすごいかを喋るよりも一文を読んでもらった方が、百聞は一見に如かずみたいなことを思っていて、そこを山場にしたいなという意識で構成を考えています。
あと、やってみてすごくわかったことは、私も書く原稿は慣れていたんですが、耳で聴く喋る原稿は初めてで、引用って鍵括弧でくくったり、太字にしたりとか、見栄えのあしらいでここからここまでが引用ですよと文章だと見せられますが、音声だと私の考えてる喋りとその引用の区切りがないので、ここからここは作者の文章ですとはっきり分けた方が良いなと思って、1回切って後ろのBGMとかを変えて読み上げるということをしてます。
その辺は文章の構成とは違うんだなと発見でした。
Part.2へ続く