元競輪選手 菊池仁志の自転車道場
競輪選手生活30年、S級在籍28年の元競輪選手 菊池仁志が自転車競技で強くなるためのプロのノウハウをお伝えします。ロードバイク・ヒルクライム・ロードレース、トラックレース、自転車のトレーニング、競技技術、レーステクニックのヒントにしてくださいね♪K-FITTING BIKE SCHOOLのお話や、競輪に関するお話もしていきます。
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《話す人》 菊池仁志
今回は「元競輪選手 菊池仁志の自転車道場」を配信している菊池仁志さんにお話を伺います。菊池さん、よろしくお願いいたします。
どうぞよろしくお願いします。
菊池さんはPodcastについてどのような印象やイメージを持たれてましたか?
実際のところ、自分がPodcastということにあまり詳しくありませんでした。一緒に仕事をしている事務局がいるんですけど、事務局の方がWeb関係に詳しくて。自分たちは愛媛県松山市というところでK-FITTING BIKE SCHOOLというロードバイクやピストバイクのスクールを開講してまして、ちょうど今年で7年目になるんですが、一般のサイクリストとプロのサイクリストなど幅広い層に、自転車の乗り方も含めて教えていくようなスクールなんですけど、ちょうどお客様の層が県外の人がほとんどなんです。半分以上県外の人で、愛媛県以外からいろんな交通手段を使ってこちらの方に来ていただいて、室内トレーナーなどを使いながら、自転車の調整をしたりとか、どういう力を出しているのかというのを測定しながら、今後例えばどういうふうにすれば強くなるかとか、そういう仕事をしています。
そうなんですね。
県外移動の自粛が去年(2020年)始まり、その後にレースが中止になってきたんですよね。レースも中止になった上にイベントも中止になってきて、スクールのお客様となかなか顔合わせができないような状態が続きました。そのときに実際自分もそうだったんですけど、モチベーションというか、自転車を続けていく何か気持ちの持ち方みたいなものが、少し苦労した時期がありました。そのときにPodcastを通じて、何かモチベーションの持続というか、そういうもののきっかけになってほしいなというのが始めたきっかけなんです。
そういったきっかけがあったということなんですが、やろうとなってからすぐにスタートできたんですか?
すぐにやりましたね。そうじゃないとやっぱり状況が刻々と変わっていったので、考えることよりもまずはスタートさせることが一番かなと。ですので、先のことを考えずにとりあえずやってみようかと。
ここでちょっと脱線しますけど、菊池さんは普段何をされている方なのかなと(笑)。もう番組タイトルにも出てますけども、元競輪選手なんですよね?
そうですね(笑)。
引退されたのが2011年。
ちょうど10年前に引退しました。
約30年間現役、28年間S級。スポーツでいうとトップリーグみたいなことですね。
そうですね、トップリーグですね。いろんなリーグが競輪の中でもあるんですけど、レースを走りながらポイントを稼いで半年に一度順位がつくんですよ。今2500名ぐらいの選手がいるんですけど、1位から2500位の順位がついて、その上位何名かがS級というところになります。それをずっと繰り返してました(笑)。
これはすごいことですよね、勝手に興奮してますけど(笑)。
一生懸命やってきた結果なので、特に長くやろうとかは考えていなかったんですけど、目の前のレースで可能な限り自分の力を出すようにしようというのと、2年先3年先の自分の体というものがどうあるのかという長期的な展望も考えながらトレーニングしていた結果だと思います。
僕はバスケットボールのフォトグラファーでもあるので、トッププロアスリート目線の話もちょっと聞きたいなという欲もあるんですけども、これはちょっと別の機会で(笑)。「元競輪選手 菊池仁志の自転車道場」のコンセプトというのはどのようなものになりますか?
コンセプトというか、実際スクールでお客様とお会いして話す時間というのは長くて3時間程度、その間にお伝えできる内容というのは限りがあります。今はちょうどお客さんもどんどん県外から来れるような状態になったんですけど、このPodcastは菊池さんに教えてもらったことの復習になってると。
なるほど!
そのときに言われたことを忘れてても、そこからしばらく時間が経ってお客様自身が成長した後に、自分が言われてたことはそういうことだったのかということがこの番組で気づきになるという声をいただきました。ただですね、やっぱりノウハウの部分もあって全てをさらけ出すというわけにはいかないんですよね。そこのギリギリの線で話をしていこうかなというところで、かなり突っ込んだところまでは話をしていると思います。
僕が好きだったのは直近のエピソードだったかと思いますが、車輪を回して音の違いを話していて、これは音は高いぞとか、でも出力は少ないんだよねみたいなお話をされてましたよね。そういうの個人的には大好きです。
ありがとうございます。バスケもそうだと思うんですけど、例えばコートの中を何分も激しく試合をするわけじゃないですか。最後の最後、体が動きづらい状況になったときにドタバタ走っていたらスピードに乗らないと思うんですよね。そのときにいかに体を滑らかに使うかというのが、みんなが疲れてきたときにスピードを得やすい状況になると思うんですけど自転車もそうなんですよ。無駄な音を出さないというのが一番で、それをどうするのかというところですよね。
菊池さんなんて100台のうち最もベストだった自転車が10台ぐらいとおっしゃってましたけども、それぐらいシビアなところで皆さんやっているということですもんね。
自転車は道具を使うスポーツなんですけど、特に競輪選手が使う自転車の車体っていうのは、クロモリというスチールパイプを使うんですね。これらも全てオーダーメイドなんです。自分がレースのときにこういう感覚が欲しいなということを、フレームビルダーと話をしてこういうふうなサイズ感にしようか、パイプもこうだよっていう話をしても、実際にレースで走ると感覚のずれが生じてて、それが先ほどオガワさんが言われた100台のうち10台ぐらいしか自分が納得する自転車ができないんです、という話に繋がるんです。
僕は本当に競輪とか自転車は素人なんですけど、そういう話が聴ける番組なので皆さんにはぜひ聴いていただきたいなと思います。「元競輪選手 菊池仁志の自転車道場」の配信スケジュールはどのようなスケジュールですか?
思いつくままなんですよ(笑)。すごく大雑把な感じなんですが、自分もプロをやってきて、その後 指導にも携わっていろんな知識もそこでは得ているんですけど、埋もれてしまってる部分が結構あって、お客様とスクールをする中で、自分の知識を掘り出しながら指導する場面があるんですけど、これって大事なことだったよねというふうに逆にお客様を通じて自分が思い出すみたいな。そういうときに、ポッと配信しています。
思い出したらすぐにアウトプットしちゃう。
そうですね。気持ちがまだ熱い状態のときに外に出せば、より言葉にも気持ちが乗っていくので、そういうときに配信するようにしています。
なるほど。
お客様から教えていただくっていう場面も多々あって、元々プロだったので指導側に入ってきたときにできない理由がわからなかったんですよ。
プロアスリートあるあるですね(笑)。
そうなんですよね(笑)。本当にどうやって人に伝えていくかということを何年も模索してるんですけど、実際今も模索中なんですよね。もっと伝える方法として簡単でわかりやすい表現はないのだろうかとか、そういうのは今でも思ってます。
時間の尺は決めてますか?
アプリを使っていて12分の尺で編集ができない一発録りです。これが面白いんですけど、12分で一発録りしたときに、自分の中でここをもう少し表現を変えた方が良かったなあと思って2回目3回目と録り直しをするんですけど、だんだんメタメタになっていく(笑)。最初の録りが一番良くて、多分これは元々競輪選手でレースのときの集中力というか、そこに出すという短時間のものが出てるんじゃないかなと思ってます。
その一発に最大出力をかけるということですね。
そうですね、もう最大(笑)。
次に、番組構成のことをお伺いしたいなと思うんですけども、思ったらすぐに配信しちゃうということなんですが、とはいえ話してるときに構成を考えられてたりしますか?。
最終的な結論として、自分がこういうところが面白いよねというところにきっちりはまるように考えて話してます。あと、事務局がMCをやってくれていて、事務局も指導者資格を持っているので、何を言いたいかというのはわかってくれていると思うので、その方向に持っていってくれますね。
なるほど。テーマがあってそこに向けてお話をしていく。
そうですね、はい。
ということは、台本はあるんですか?
台本はないです。
菊池さんの頭の中でこういうふうに話そうというイメージはされているということですね。
なんとなくですけど考えながらやっています。自分が指導者側に入ってくるときに日本スポーツ協会のコーチの資格を取ったんですけど、そのときに最初に言われたことが、指導者として何が一番大事なのか、自分はこの答えが出てくるとは思わなかったんですけど、コミュニケーション能力って言われたんです、技術じゃないよと。高い技術があってもそれを人に伝えられなかったらそれは高い技術じゃないということだったので、そのコミュニケーション能力というのは、例えば人と話しているときに、スクールでもそうなんですけど、どこが取っ掛かりになるのか、どこが大事なのか、この人の今の問題点はどこなのかっていうのは、常に話しながら探りを入れてますよね。