News Connect ~あなたと経済をつなぐ5分間~ (Part.1)


News Connect(ニュースコネクト) ~あなたと経済をつなぐ5分間~
1日1つ、5分間で、国際政治や海外のビジネスシーンを中心に、世界のメガトレンドがわかる重要ニュースを解説。朝の支度や散歩、通勤、家事の時間などにお聴きいただけるとうれしいです。

▼出演:

野村高文(音声プロデューサー/Podcast Studio Chronicle代表) https://twitter.com/nmrtkfm

東京大学文学部卒。PHP研究所、ボストン・コンサルティング・グループを経て、2015年にNewsPicksに入社。NewsPicksアカデミア マネージャー、編集部デスク、音声事業プロデューサーなどを歴任。2022年に独立し、Podcastレーベル「Choronicle(クロニクル)」を設立。これまで手掛けたPodcastに「NewsPicksニュースレター」「a scope 〜リベラルアーツで世界を視る目が変わる〜」など。現在、Audibleで「The Reading List」「みんなのメンタールーム」を配信中。TBSラジオ「テンカイズ」にレギュラー出演中。旅と柴犬とプロ野球が好き。

《話す人》 野村高文


オガワブンゴ
オガワブンゴ

今回は「News Connect」を配信しているPodcast Studio Chronicle代表で音声プロデューサーの野村高文さんにお話を伺います。野村さん、よろしくお願いいたします。

野村高文
野村高文

よろしくお願いします。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

まずPodcastについてどのような印象やイメージを持たれていましたか?

野村高文
野村高文

元々の仕事がテキストの編集者でして、ファーストキャリアで出版社に入りました。独立する前職がNewsPicksという経済メディアに勤めていたんですけど、テキストでコンテンツをずっと作っていたんですね。

その傍らで、たまたまTBSの「デイ・キャッチ!」というラジオ番組でニュース解説をするという役割をいただきました。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

はい。

野村高文
野村高文

その時に音声コンテンツは体験として現代に即しているんじゃないのかな、という感じがしていました。というのも、今はどの情報もスマホから怒濤のごとく流れ込んでくるじゃないですか。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

そうですね。

野村高文
野村高文

どのアプリもどのメディアも、スマホの小さい画面上で「私を見て」というふうにアテンションを奪い合っているような状況だと思ったんです。

やっぱり視覚情報に色んな人が疲れてるんじゃないかなという感じがすごくしていて。

その中で音声コンテンツというのはあまり視覚の情報を奪わなくて、例えば家事の時間とか運動の時間とか、人々の生活にスッと入っていけるメディアだなと思いました。私は音声コンテンツのプロじゃなかったんですけど、その辺りから普通にコンテンツ制作者としてすごく面白いなと感じていたというのがありました。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

「News Connect」をやるきっかけは何だったんでしょうか?

野村高文
野村高文

それで言うと前身となった番組があります。NewsPicksにいた最後2年ぐらいで、テキストの編集者をやりながら、会社の中で音声コンテンツを成立させられないかというトライをしていたんですね。その時に立ち上げたフォーマットが「NewsPicksニュースレター」という番組で、これは私が退職したあとも後任に引き継いで続いていますが、朝5分で一本だけニュースを選んで、その5分間で深く解説するというフォーマット。

それが色々な方に聴いていただいて、その時に気づいたのが音声コンテンツはいくつか聴いてもらうパターンがあると思うんですけど、そのうちの一つがリスナーさんにとって必需品になることなんだなと思いました。

だから習慣的にこれを聴いてしまうという、リスナーさんの生活に組み込んでいただいたらすごく再生数も上がっていくなと。そうするとやっぱり5分で1本というフォーマットはなかなか優れている。

今年の頭に独立してPodcastのプロデューサーとして一人でやっていくことにしたんですけど、このフォーマットをもっともっと突き詰めてみたいなと思い、それで今回「News Connect」という番組を作りました。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

なるほど、すごく勉強になります。

野村高文
野村高文

いやいや(笑)。Podcastって間口がそんなに広くないじゃないですか。

一回発見してくださって面白いと思ってくれれば続いていくと思うんですけど、やっぱり間口がすごく狭いという問題意識があったので、そのハードルをクリアする方法としてはやっぱり頻度を上げることだなと思ったんです。そうした時にニュースというのはすごく頻度を上げるのにちょうどいい形態、フォーマットだなと思いまして、他にも試しているPodcast番組がありますが、ニュースをやってみようかなと思って始めたところです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

このニュースというのは基本5分前後ぐらいですか?

野村高文
野村高文

そうですね、5分前後ぐらいです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

毎日配信されているかと思いますが、ニュースを選ぶのは野村さんですか?

野村高文
野村高文

はい。もう色んな国内外のメディアをリサーチしてまして、今日だったらやっぱりこの1本だろうというのを選び、ニュース原稿も自分で一から書いてるんですけど、そういうふうにして配信していく感じです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

「今日はこれだろう」の「これだろう」を決めるエッセンスはあるんですか?

野村高文
野村高文

番組のコンセプトとして「世界のメガトレンドが分かるニュースを解説していきます」ということを毎朝言ってまして、国際的な政治や経済には太い流れみたいなものがいくつかあると思っています。今だったらもう圧倒的にウクライナ情勢ですし、ウクライナ以前だと例えば脱炭素とか、GAFAが国家と齟齬が強くなりその国家対プラットフォーマーの戦いがどうなっていくのかとか。

日本で言うと、個別の企業さんと言うよりも、この位置にいる日本というのが今後どうなっていくのかみたいな話とかですね。

そういうふうに大きな潮流があると思っていて、それを典型的に表しているニュースというのをできるだけ選ぶようにしています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

ここでご存知の方はたくさんいらっしゃるかと思いますが、野村さんは何をされてる方なんでしょうか?

野村高文
野村高文

素性ですよね(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

素性です(笑)。

野村高文
野村高文

今年の頭から音声コンテンツのプロデューサーとして自分の会社を経営しているという立場です。本当に平たく言うと色んなPodcastを世の中に対して配信していき、それをなんとかビジネスにしていくということを今は取り組んでいます。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

それがPodcast Studio Chronicle。

野村高文
野村高文

Chronicleというレーベルを今年の頭に立ち上げました。このニュース番組を看板にしようと思っているんですけど、その他にちょっと教養チックな番組や読書・本について語る番組とか。あとはもうちょっと雑多なキャリアトークとか色んなものを作っていまして、今後も1ヶ月に1本ぐらい新しい番組が立ち上がっていくつもりで今はやっています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

すごい!

野村高文
野村高文

自分の身しかリソースがないので、どこまでやるかというようなところはあります(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

野村さんのお気持ちを僕は分かる存在かなと思います(笑)。

野村高文
野村高文

勝手ながらちょっとシンパシーを感じておりまして(笑)。

オガワさんが手がけられた「MOOKSTUDY日本の歴史」も昔から拝聴していました。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

ありがとうございます。

野村高文
野村高文

数十分で一人の歴史人物を語るってすごく良いなと思いながら、勉強になるなと思って聴いていました。さっきもこの収録が始まる前に雑談をしていたら、やっぱり立場が近いですねみたいな話をさせてもらいましたね。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

そうなんですよね。だから今日は僕がインタビュアーで野村さんがゲストですが、逆のパターンも十分あり得るなって。

野村高文
野村高文

ちょっと別の機会で是非お願いします。私が聞きたいことめちゃめちゃあります。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

是非是非、お声がけいただければ。

野村高文
野村高文

ありがとうございます。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

配信スケジュールは毎日ということで決めているのでしょうか?

野村高文
野村高文

そうです。ニュース番組については、毎日やってこうかなと思ってます。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

収録は?

野村高文
野村高文

ちょっと裏話をすると、朝6時に配信していますが、前日夜にその時点での最も幹になるニュースを選んで収録しています。

正確に言うと土日版だけは何日か前に収録をしていまして、土曜と日曜は2〜30分のまとまったゲストトークを配信しています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

はい。

野村高文
野村高文

それについてはさすがにゲストの方のスケジュールもあるので、録りためてというふうにやっています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

原稿というか台本も書かれているんですよね?

野村高文
野村高文

そうです。ウワーッと色んなメディアでリサーチをして、そこから「ファクト」だけを抽出します。私が大事にしていることは「ファクト」。これは公開情報になっているというものと、あとはそのメディアさんが独自に取ってきた情報というものをかなり厳密に分けています。

さすがにそのメディアさんが独自に取ってきた情報を、こっちが何の引用もせずにやってしまうとそれはまずいので、あくまでも「ファクト」の情報を自分なりに再構成して並べる。あとは私自身も経済編集者を6、7年やっていたので、過去の取材の蓄積というのもありまして、例えば以前このような話を聞きましたというようなこともそこに盛り込んだりはしています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

僕がいきなりそれをやれと言われるとたぶんすごく大変。野村さんはすでにやっていたから、そんなにストレスなくできちゃうのかもしれないですね。

野村高文
野村高文

文章を書くとか、あとは文章よりも構成力の方だと思うんですけど、どういう順番で何を並べたら一番伝わりやすいのかというのは、わりと編集者時代に培っていたんですよね。

それをある程度いかしながら、ニュースって色んな多面的な角度から切り取られると思うんですけど、どういう順番で並べたらリスナーさんにとってスッと入ってくるということを気にしながら喋っています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

今はどちらかと言うと台本、いわゆる原稿という紙ベースの方ですが、実際マイクを前にして話している時に意識されていることや気をつけていることはありますか?

野村高文
野村高文

ニュースの場合、まず一番大事なのは「原稿を読んでいるようにしない」ということがやっぱり大事だなと思っています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

なるほど。

野村高文
野村高文

原稿はしっかりと手元にありますが、誰かに伝えるように「こんなことがありましてね、これってやっぱり大変なんです」というようなところは気にするようにしています。自分の問題意識としては、特に最近読み上げのAIとかがすごく発達していて、無味乾燥な上手いナレーションというものがどんどんコモディティ化している感じがするんです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

はい。

野村高文
野村高文

じゃあなんでPodcastをわざわざ聴くのかというところで、やっぱり人に伝えて欲しいとか、あとはその人なりのビューとか感情の揺れとか。本当に客観的な情報を求めている方には多少ノイズになっちゃうんですけど、多くのPodcastリスナーさんはどちらかと言うとそういう要素もあった方が受け入れられるんじゃないかなと思っています。

「ファクト」としてはちゃんと固めて用意はしますが、ただ本を読み上げてるようにはしないということを心掛けています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

車のハンドルで言うと「遊び」の部分みたいな。

野村高文
野村高文

そう、遊びの部分です。例えば冒頭の1分はとてもどうでもいい話をするとかですね。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

はい。

野村高文
野村高文

これも試行錯誤していて、どれくらいの雑談の長さが良いのかなと試してみたんですけど、1分から1分半ぐらいどうでもいい話をしてから本編に入るというフォーマットが今のところ一番しっくりきています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

やりながら積み上げいてる感が良いですね。

野村高文
野村高文

ビジネス的に言うとPDCA(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

もうグルグル回す(笑)。

野村高文
野村高文

別にPDCAほど精緻でもないんですけど、ただやってみて例えばTwitter上でいただける反響や自分でも聴き直してみて、これはちょっと体験が良くないなみたいなことがあれば、すぐに直すということを繰り返しています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

配信プラットフォームは?

野村高文
野村高文

Anchorを使っています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

AnchorだったらSpotifyもAppleもその他にも配信されますね。

野村高文
野村高文

これ以外に加えているのがVoicyさんで、そこでも一応枠をいただいています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

「News Connect」は、どの層の方が聴いているんですか?

野村高文
野村高文

年齢層で言うとやはり30代から40代の方がボリュームゾーンで、男女比で言うと、どのプラットフォームもだいたい男性6の女性4ぐらいです。

やっぱり働いている方々、現役のビジネスパーソンが一番メインかなと思っています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

「News Connect」の場合、通勤の時に聴かれる方が多そうですね。

野村高文
野村高文

私としても、朝のビジネスパーソンって忙しいので、その時間に情報収集ができるというところにある程度最適化したいなと思って設計しました。

その年代、性別年齢の方々が聴いて下さっているということは本当にありがたいなと思っています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

ちょっといやらしい聞き方ですが、野村さん的には狙い通りみたいな感じですか?

野村高文
野村高文

そこまで精緻にペルソナ設計をして、だいたいこんな人みたいなことまでは考えていなかったんですけど、ざっくりどんな人がリスナーなんだろうというぐらいは考えました。

そうすると基本的にはお仕事をされている人で、わりと情報感度が高い方々。

これを言うと若干角が立つんですけど、「朝にやっているテレビのワイドショーでは物足りないと思っている方」が自分の中での典型的な像だったんです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

うんうん。

野村高文
野村高文

問題意識として、ビジネスパーソンが朝見るものがないなと思ったんです。そこに対して何かしらアプローチができたら面白いんじゃないかなと。

蓋を開けてみてその性別年代というところは自分としてはすごい納得感があるところですね。