midnight temple radio お寺ジオ
僧侶の兄弟がお送りする #お寺ジオ
オンラインの駆け込み寺 として配信しています
コンセプトは【耳からご縁を結ぶ寺】
仏教/お寺/神さま/仏さま/目に見えないものに関するウソ?ホント?豆知識などお楽しみください
お便りは随時募集中です
ex)人間関係で悩んでいます…〇〇の話聞かせて!
などお気軽にどうぞ
仁部前誠
https://twitter.com/nibe_zenjo
仁部前叶@六尺法師
https://twitter.com/6SYAKU_HOUSHI
普段はどのような収録環境でしょうか?
機材的な部分で言うとスマートフォンにマイクを繋いで収録しています。兄弟2人で収録と言っても、電話をしてるような感じなんですよね。顔も見えない中で、特段打ち合わせもせずに、テーマと流れだけ決めて収録していく形です。
アプリ的なとこで言うと、Radiotalkというアプリを使って配信をしています。
このRadiotalkだとスマートフォン上で、2人のやりとりが完結できるっていうような形なんですよね?
そうですね。特に凝った編集もせずにそのまま配信してるんですけども、お寺ジオの特徴として、Radiotalkにギフトという機能があります。投げ銭という言い方をすれば皆さんわかるかなと思うんですけども、Radiotalkで配信する人たちのことをトーカーというんですけど、トーカーにギフトというプレゼントができて、そのプレゼントにはメッセージを添えることができるんです。それでお便りだったりとか、番組の感想だったり、何かご質問があれば、そのギフトに添えてメッセージを添えて、お送りいただける。
私達の番組の一つの特徴として、そのギフトの中に「絵馬」というのがあって、その「絵馬」に、お願い事を書いてお寺ジオにお便りをくださると、番組の中で我々兄弟がお経をあげてご祈願する。
そうした特徴がありまして、お願い事がある人は、お金を払ってギフトを買って、その「絵馬」にお願い事を書いて送られてくる(笑)。
※2021年9月のRadiotalkアップデートに伴い、ギフト一覧から「絵馬」が削除されました。よって、番組内のご祈願は現在行われておりません。
笑っちゃいけないですけど、良い循環ですね(笑)。
そうですね。今年の5月で配信開始から1年が経ちまして、皆様から多くの声をいただいて、番組のオリジナルステッカー作りました。
ありがたいことに、このステッカーの作成費やステッカーをご希望した方への送る発送費も番組に寄せられたいわゆるギフトのお金でまかなえました。我々は敬意を表して、皆様から送られるギフトのことをお布施や仏様へのお供えとかそうした呼び方をさせていただいて、お寺の空気感みたいなのを大事にしています。
リスナーさんとのご縁ですよね。こういうことを実感し始めてるなっていうのが1年以上やってみて感じています。
Radiotalkさんの機能をフル活用してるっていう形ですね。
はい。本当に単純にお便りだけというよりは、お供えでという方もいますし、お気持ちだけでということでお便りなしでギフトだけ送ってくれる方とか。
そういう空気感がRadiotalk内にありまして、本当に楽しくやらせてもらってます。
今、前誠さんがおっしゃっていただいたこと以外に、何かPodcastを始めてわかったことや気づいたことはありますか?
やっぱり重ね重ねになるんですけど、お坊さんやお寺はPodcastと相性が良いなということを常に本当に感じてます。
一つは、私達はライブ配信でお経を読んだりとかご祈願のときもお寺の鐘を鳴らします。お寺って想像していただければわかると思いますが、御堂が広くて音響が良い。あとお経も音楽に似ているところがあると思うんですよね。洋楽を聞いてるような感覚じゃないですけども、何を言っているかわからないけども、この音の波に皆さんどこか心が落ち着くというご感想をいただいたりしています。
あとは私達僧侶は人の前でお話をする、いわゆる説法であったり、御法話ですね、そうした機会があるので、話すことというのはやはり大切なスキルでもあります。そこに直結するので、相性が良いなと感じています。
「耳からご縁を繋ぐ寺」という形でやらしていただいてるんですけど、五感の中で聴覚というのは精神性と直結してるような、そういうイメージあると思うんです。皆さんが何か一心にお祈りするときとか、必ず目を瞑りますよね。そこでも耳というのはやっぱり働いていて、何か精神性に直結するような可能性みたいなものはPodcastにあるなと。ですので、そういうお話をするのにも、映像よりも届きやすいんじゃないのかなということは感じてます。
前叶さんはいかがでしょうか?
お寺ジオという番組の中にいろんな方がご縁が結ばれて、先ほど話に出たギフトであったりだとか、我々の番組の特徴の中に、ギフトで「絵馬」を書いていただいて誰かがお願いをし、その祈願を私達が番組でする、当然先ほどお伝えした通り私達はポイントとお金をお預かりするわけですけども、今度それを現実的にお寺で実際にお守りを作るときの費用にしてるんですね。
これを番組内では誰かの「絵馬」になって届いたお祈りが、今度は現実世界で誰かを守るお守りに変わってるっていうふうに、自分のお願いが今度誰かを守る側に回っていく。
こういう想いの循環ということを意識してまして、それが実際にぐるぐるぐるぐる、その循環がすごく回るので、やっぱり皆さん誰かの心の安らぎを支えてあげたいという気持ちがこんなにあるんだなっていうのをやってみて気付いた部分、可視化された部分というのは大きくありましたね。
なんかすごく理にかなった循環をしてますよね。
初めからこういう構想もありませんでしたし、やっていく中で、どれが一番このお寺ジオをというバーチャルの空間にとって良いのか、あと実際の我々はラジオの配信が本業ではないので、お寺として僧侶として何か良い部分や直結する部分を探そうとしたときに、良い形に落ち着いてくれたかなっていうのありますよね。
すごいなぁ。
お便りも匿名であったりニックネームで送れるんですね。だから普段は人に話せないような悩みなどのお便りも実はお寺ジオに届いてまして、私達も普段の空気感はふわふわしてますが、そうしたお便りを読ませていただくときは、やっぱりお寺であったりお坊さんという漠然とした信頼感があるからこそ送ってくれていると思うんです。なおかつ、本名ではないということもあるので、そういった気持ちを踏みにじらないように、そうしたお便りに対しては真摯にお答えしております。
同時に、相談できる場所であったり日頃のそういう重みみたいなものを下ろして、誰かと関われる場所だとか、やっぱり皆さんそういう場所を求めてるのかなと感じますね。
お二人の感じだと、シビアな話とかも確かに聞きやすいかもしれないですね。
本当のお寺の在り方とか、リアルの世界の本当のお寺もそういう場所なんですよね。
どうしてもお寺って敷居が高かったり、御檀家さんというふうな制度がある中で、何もない外の人がいきなり入りづらい部分があると思うんですよ。
ですので、崩せるところは崩して、きちんと保つところは保って、なるべく同じ目線で何か伝えられたらなと思ってます。
確かにお寺に何か「私悩んでるんです」という話をしに行くって、めちゃめちゃハードル高いですよね。
場合によっては病院に行くよりも難しいと感じる方も多いと思うんですよね。
ただ、お寺ジオでお2人にこういうアドバイスもらったんで、ちゃんと病院行くようにしますとか、病院とかよりも手前に私達がいることが増えたので、やっぱり気軽さっていうものから生まれるものもあるのかなっていうのは実感してます。
なんか自分で話して思ったんですけど、我々ってやっぱりこの空気感や世界観みたいなものを番組作りで最も大事にしているかもしれないですね。
その仏様の教えとか仏教の教えというのをそのまま授業みたいに伝えるのではなくて、埼玉県の片田舎の寺で、こういう目に見えないものとか、神様、仏様を大事にする兄弟がいて、その兄弟の世界観みたいなものを皆様と共有できたらという思いでやってますね。
ですから、あまり難しい言葉も使いすぎず、時には使うこともありますが、本当にそういう思いで世界観を伝える中で、空気感を大事にやっています。
本当にお寺の前にあるお寺みたいな感じですね。
お寺に行くための予行練習(笑)。
でもそれって大切ですよね。すごくPodcastを有効活用されてるなと。
私の中で、今のお話もすごくリンクするんですけども、お寺ってやっぱ目的がないと行かないし、目的がある人が来きます。何にも意味ないけどフラッと来るっていうのは観光寺院とか、観光地の隣にあるとか、そういったお寺は別ですけども、多くの一般のお寺は、目的がある方、それもどちらかと言えばマイナスの状態になっている方とかが比較的多いと思うんですね。
でもこのお寺ジオの場合には、全く目的も何の意味もなくフラッと立ち寄ったところに、どうやらお坊さんたちが勝手に好きな話をして、それを意味もなく聴いていたら、なんか面白いぞというふうになってくると、もう我々の世界観の勝ちだなっていう部分がありまして(笑)。
これはどんな職業でもそうだと思いますが、実際のところその本職の人たちってどういうふうに生活しているかってみんな知らないじゃないですか。例えば、お医者さんってよくかかりますけど、お医者さんが24時間どういうふうに勤務して、どう生活してるのかは知らないですよね。おまわりさんとかもそうですよね。コンビニの店員さんだってコンビニで働いたことがないと、どういうルーティンで生活しているのかがわからない。その最たるものがお寺だと思うんです。
ですので、私達は勝手に自分たちで好きな話をして、勝手に門を開けて待っているので、そこに何気なしに来た人たちが、どういう結果を得て帰っていくのかというのは、各々にお任せであって、来たいときに来ればいいよという、ずっとオンラインに私達はいるのでっていうふうにお伝えしていることがすごく大事かなと思います。
門を開いているというのは、お寺ジオの最も大きな特徴かもしれないですね。
たまに恋愛相談とかもきます。
「嘘だろ!?」っていうような、僕らに恋愛相談をするのか!?みたいなのがあったりするんですけど(笑)。
それでもやっぱりちゃんとお答えするんですよね!?
もちろん(笑)。
恋愛相談とかきても冷静に考えると、30代の兄弟2人が他人の恋愛の相談を聞いているだけなので、冷静に考えると結構おかしい構図なんですよね。
でも、お2人の世界観がそれを成立させてるっていう(笑)。
成立してるかちょっとわからないですけど(笑)。
成立しているかどうかはわからない(笑)。
前誠さん、前叶さんが感じているPodcastの可能性があれば教えてください。
僕はやっぱり先ほどの話とリンクしてしまいますが、世の中が物質的な豊かさからのシフトみたいな空気が今あると思うんですね。持続可能とか、お寺にいてもよく聞こえてくるフレーズになっています。そうしたときに精神性というと大げさですけれど、ちょっと心を落ち着けるとか、心の栄養になるような部分で、一旦、耳だけに意識を集中してというようなところでいくと、Podcastは色々なことを伝えやすいのかなって。音だけなんだけども、色々なことが伝わりやすいのかなと可能性としてはすごい感じます。
音しかないという、そこが良いのかもしれないですけど、すごく情報がたくさんある中で、音や声色とかそうしたところから人の気持ちだったり、熱いメッセージだったり、そうしたものがすごく伝わりやすいんじゃないのかなっていうのは感じるところであります。
前叶さんはいかがですか?
私がすごく感じてるのは、先ほど職業の話が出ましたけれども、基本的に世間って人の仕事のことを知ってるようで知らないですよね。
表向き何をしてる人って言っても、やっぱりその裏で、裏舞台ではどういうことがあって、表舞台でこういうことがあってというものは知らないと思うので、その裏をどう見せるかということが昨今すごく重要だと私は思っています。よくアスリートの密着テレビとか、それを見たことあると、試合中にその選手を見たときにちょっと見方が変わったりするのと同じで、我々がお寺ジオでお伝えしていることを聴いた上で、お寺の法要とか、ご祈願とか、そういうものを見ていただいたときに、新しい目線をリスナーさん側が勝手に持ってくれる部分があると思っています。
私達はどちらかというとPodcastの配信者という立場よりは、本当に僧侶としてやっているので、Podcastの大きな可能性としては、どんな立場の人たちも、自分を知ってもらって、自分を見てもらうときの視点が変わる、相手方の視点が変わるということをうまく使うために、Podcastを取り入れることは、それ自体が非常に大きな可能性なのかなとは思っています。
最後になります。これからPodcastを始める人たちに何かアドバイスやメッセージがあればぜひ教えてください。
きっかけは何でも良いと思うので、負担にならず、小さく始めて、どんどん育てていくということが実体験としてあります。
最初から100点を目指すのではなく、ある種の未完成の部分も大切にしながらやっていくことが大事なんじゃないのかなと。あとは私達が気をつけてることなんですが、嘘をつかない。背伸びをしないことも配信者という立場でいうと大事かなと思いますね。リスナーの方とかも見抜いちゃいますよね、何となくこの人背伸びしてるなとか。
あたりのままの形で、気張らずに負担にならずに続けていくことが大事かなというふうに思います。
ありがとうございます。前叶さんはいかがでしょうか?
やっぱりこのインタビューもそうなんですが、配信を続けていくと、思いもよらぬところから日の目が当たる、今まで日影だと思っていたところに、パッと日が射してくると。
そういうのと一緒で、自分が喋っていることが世間に大注目されなくても、どこか見てくれている方や支えてくれる方とか、自分が気付けないだけで、そういう方々がいらっしゃると思うので、そういったところを大事にしていくのことが大事なんだなと、今日このインタビューをきっかけに私は気付きました。この気付く瞬間というのが、これから始める方々にも来ると思いますので、ぜひ楽しみながら配信していただければなと思います。
最後は締まりましたね(笑)。
もうめちゃくちゃベテランなラジオパーソナリティー感を出しちゃいましたけど(笑)。
お坊さんからのありがたいお言葉だなと思いながら聞いていました(笑)。
是非みなさん、門は開けっぱなしですので、midnight temple radio「お寺ジオ」を聴いてみてください。
今回は、妙見山 上原寺(みょうけんざん じょうげんじ)の副住職、仁部 前誠(ぜんじょう)さんと仁部 前叶(ぜんきょう)さんにお話をうかがいました。
前誠さん、前叶さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
Part.2へ続く