Image Cast
Image Castは、個人でものを作る人の集まりImage Clubとして活動しているあずまと鉄塔が自宅からお送りする30分ほどのPodcastです。技術・デザイン・制作・表現などに関係のあるような無いようなトピックを中心に、毎週二人が気になったもの、発見したことをそれぞれ持ち寄っておしゃべりします。
《話す人》 あずま / 鉄塔
今回は「Image Cast」を配信しているあずまさんと鉄塔さんにお話を伺います。あずまさん、鉄塔さん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
あずまさんと鉄塔さんそれぞれお伺いしたいんですけども、Podcastについてどのようなイメージや印象を持たれてましたか?
僕は小学生ぐらいから、15年ぐらい前からPodcastを聴いていて、その時配信されていたのは、本当に個人でやってるような番組と、あとPodcast落語というニフティが配信していたものがあって、そういうちょっと面白いものがあるぞという感じでした。
田舎に住んでいたこともあって落語とかは聞きにいけなかったので、Podcast落語を日夜聴いてみたいな。なので、Podcastに対する印象というのは、ラジオというほどパブリックな公的なものではなく、「個人の声が漏れ聴こえてくるもの」みたいな感じの捉え方ですね。
面白いですね、鉄塔さんはいかがですか?
僕はそこまで馴染んでいなかったというか、実はしばらくiPodじゃないと聴けないものだと思っていたぐらいなんです。割とここ最近というか2〜3年はよくPodcastというワードを聞くようになってちょこちょこ聴いていました。
でもラジオを聴いたり、たまにPodcastで気になるものがあれば聴くというくらい割と浅いものだったので「Podcastやりませんか?」ってあずまくんに言われたんですけど、最初はどういうことをして、何をしたら良いのか全然わからないというか、「え、良いの!?」みたいな、そんな感じがしました。
それぞれ捉え方が全く違ったと。
そうですね。
「個人の声が漏れ聴こえてくるような」っていうのは今までで初めて聞いたワードだったので、そういうニュアンスだったら確かに「始めようか!?」っていうのは今やっと理解できました(笑)。
今のこの場で誘われた理由がわかった(笑)
そうですね(笑)。
「Image Cast」のことなんですけども、この番組をやるきっかけは何だったんですか?
直接のきっかけとしては、コロナ禍で外にそんなに出れなくなって、毎日犬の散歩をしていて、その時間だけが外をウロウロできる時間なんですけど、それが1日1時間とか2時間とかあってその間耳が暇だったので、それまではPodcastをたくさん聴いていたわけではなかったんですけど、毎日聴くようになりました。Podcastの面白さというんですかね、さっき言った個人の声が聴こえてくるみたいなところもそうだし、テキストではなく音声という形式で入ってくるというのは、体験として今までのインターネットの動画とかテキストとかとはちょっと違うなという感じというか、温度感がすごいちょうど良かったんですね。
Podcastって続けてる人は本当にずっと続けていて、直接的じゃないきっかけとしては、長く続けている、例えばYouTubeみたいにパッとすごいバズるみたいなものじゃないものをちゃんとやりたいなと思ったことがきっかけです。
なるほど。あずまさんから鉄塔さんに声をかけてスタートされたと思うんですけど、この「Image Cast」の企画はどういった形で進行していったんですか?
元々Image Clubというクラブ活動を続けてまして、それが2016年ぐらいからなんですけど、そんなにがっつりしたものじゃなくて、普段は普通に会社で働いてる人でも個人で思いついたものを作ることが好きな人が、土日とかに集まって、わざわざ土日にまでやりたいようなことをやるという感じのテーマで活動しています。それの活動って結構ブツギレだったので、本当に年に2回ぐらい作ったものを出すと。
イベントとかがあると、そういうところに申し込んで、申し込んだからには作るぞみたいな。
それで普段はなんとなく作りたいなってモヤモヤしてるのをそこで一気に発散するみたいな、そういうニュアンスはありましたね。
なんかそれだけだとモチベーション下がったときに復活させれないというか、コンスタントに何かを作って出し続けている状態を保ちたいなっていうのがあって。
なるほど。
あと半分は生存報告(笑)。
じゃあコンスタントに出せるものは何かということで、この番組がスタートしていったというようなイメージですかね。
それは本当に強いと思います。最初に番組を始めるときに、3回とか5回で終わるのは本当に嫌だからちゃんと続けるということを一番の目的にしてやろうと最初に言ってました。
この番組をPodcastにした理由っていうのは?
Podcastにした理由というのは、バズったりしないというのが大きな理由かなって思ってます。
バズりたい!という方が世の中的には大多数なような気がしますけど。
そうですよね。世の中のメディア、例えばYouTubeだったりTikTokだったり、TwitterとかSNS系は全部そうですけど、勢いがバーッてついてものすごい数の人が一気に見てさっと去っていくみたいな感じじゃないですか。
打ち上げ花火みたいな感じですよね。
すごい短期的に人を集めて、パッと見て面白いねって思ってもらえるものを作って出すということに、どうしてもモチベーションが向いちゃう気はするんですけど、何かそれだけじゃない面白さというのがあるなって割とPodcastをずっと聴いていて思ってて。
本当に面白いものを求めて見るという気持ちもないぐらいの、なんとなく日課として聴いているというぐらいの温度感の中に、じわじわと楽しみ続けれるようなものみたいなのがあるんじゃないかなと思ってます。
割とそういうのは良いなと思ってますね、Podcastならではだなと。
鉄塔さんはいかがですか?
基本的に喋るのはすごく好きなんです。ただ、文章に書くのは苦手なことが多くて、記事にしようと思うと、何か手が止まってしまったり、いやこれは必要ないかなと思ってどんどん文章を短くしちゃうようなタイプなので、本当は喋ったものを世に出したいという気持ちは実はあったんです。
世に出したいというかもっと喋りたいというか。だから、僕にとっては渡りに船というか願ってもないチャンスという印象。
ただそんなに深くこういう目的でこういうものが好きだからということをすごく話し合ってやったというよりは、ちょっとやってみましょうよみたいな、結構軽い感じで誘われていたので、僕も何か軽く乗らせていただいたというか(笑)。
コンセプトみたいなものが明確にあるわけではないんですけど、Image Clubでの活動のときにパッと集まって物を作るんですけど、その前後のお昼どきにだいたいサイゼリヤに行くんですね。
サイゼリヤでご飯を食べ終わった後に、何かグダグダ喋ってるときの会話がめちゃくちゃ面白くて。なので、割とその会話を、アーカイブに残したいというか、その感じを残したいなというのは思っているとこでもあります。
ここでちょっと人物像を伺えたらなと思うんですけども、あずまさんは何をされてる方なんですか(笑)?
株式会社メルタという3Dプリントとか3Dモデリングとかをやってる会社で、Web側の方を担当しています。平日はメルタのWeb制作者開発者として働いていて、土日はフリーランスで時々エンジニアをやったりとか作品を作ったりとか、そういうふうな生活ですね。
鉄塔さんは?
僕もエンジニアなんですが、元々はメディアアート系のものを作っていまして、プロジェクションマッピングだったり、そういう展示会で使うようなものを作っていて、ただ仕事としては、電子基板を作ったりとかハードウェアの試作品とか、そういった1回しか使わないものとか展示品として使うようなハードからソフトとかを全体的に作る、割と何でも屋さんみたいな感じですね。
何でも屋には聞こえないですけど(笑)。
作るという意味においては幅広めにやっていつつ、ただ実はプログラマーとは言ってもあまりWeb側とかはそこまでわからないので、あずまくんはそこがすごく強くて仕事でも協力してもらったりしています。
僕の方が浅く広くという感じです(笑)。
なるほど。Image Castの配信スケジュールはどのようなサイクルですか?
だいたい土曜日の朝10時とか11時とかに1時間でバっと収録して、それを僕が次の週の土曜の朝までに編集して配信するという、すごいシンプルなサイクルです。
毎週土曜日の収録で、配信も土曜日。
はい。
時間の尺は、40分のものがあったり50分のものがあったりとバラつきがありますが、これはやっぱりそもそものサイゼリヤのご飯食べた後の会話というようなイメージなんですかね?
そこは意識したことなかったですが、意外と影響されているかもしれないですね。15分とかの単位で録り貯めて出すというのも考えはしたんですが、話があらぬ方に転がっているときが一番面白いというのがあって。そういうふうに転がり始めるのがだいたい20〜30分経ったあたりからなんですよね、僕らの場合。なので、なんか良いの録れたというときがだいたい30分とかズルズル続いて45分とかになるって感じです。
次は構成ですが、サイゼリヤでの食事後の会話というところに構成はあるのかという話なんですけど(笑)。
ないですね(笑)。
オープニングはしっかり読まれてますが、オープニングと本編ぐらいのイメージですかね。
そうですね。最初と終わりははしっかりやっておこうと。
無いからこそ、そこは押さえておく。
個人でやって録って、本当に録りっぱなしみたいな緩いのもあって、それはそれで良さはあると思うんですけど、いかんせん素人なのであまりにも緩くやって録って出してると、聴きづらいものになるだろうなというのは、予感としてありました。そこはちゃんと空白を詰めるだったり、話がおかしなところに行ってどこにもたどり着かなかった場合は切っちゃう。そういうの割とちょこちょこやって、構成として一つの流れになるようには編集してます。
それに対して鉄塔さんはいかがですか?
なるべく困らせないようにしないとと(笑)、編集はあずまくんがやってくれているので。
喋るときは、あずまくんと喋るという気持ちだけでやっている感じです。
あずまくんの視点が鋭かったり、僕が適当に喋っていたら絶対ばれているだろうなと思ってるんですね。だからなんか、自分がただ喋って気持ち良いだけになってないかというのは、たまに振り返りつつ、あと編集で困りそうだから、ちょっと短めにパパッと喋ってそんなに詳しく話さないようにしようとか。こういったことを少しは意識しているんですけど、意識できなくなって暴走するときもある(笑)。
僕はどちらかというと鉄塔さんの話が面白いなと思っていて、それをアーカイブしようと考えていたところなので、鉄塔さんの味を引き出すみたいな役割ですね。鉄塔さん本人も言ってましたが、うまくパッケージングして出すということはそこまで得意ではないけど、引き出せば引き出すほど面白いものが出てくるのが鉄塔さんの魅力だなと。
引き出されちゃってるのかもしれないですね。
板前感覚ですね。
それぞれの得意分野が分かれていて良いですね。
あまり鉄塔さんに頼りっきりになるのは良くないなと思って、こっちからもできるだけ提供できるものは出していこうと思ってます。