Image Cast
Image Castは、個人でものを作る人の集まりImage Clubとして活動しているあずまと鉄塔が自宅からお送りする30分ほどのPodcastです。技術・デザイン・制作・表現などに関係のあるような無いようなトピックを中心に、毎週二人が気になったもの、発見したことをそれぞれ持ち寄っておしゃべりします。
《話す人》 あずま / 鉄塔
普段はどのような環境で収録されていますか?
本当に何もわからなくて試行錯誤で、買ってはメルカリで売って(笑)。
僕はオーディオインターフェイスを3回買って2回売りました(笑)。
それ僕もです(笑)。
買うことがモチベーションになるみたいなところがあって、今使っているマイクはSHURE 57Aです。
多分有名で使っている人が多いんじゃないですかね。マイクは同じものを使うことにしようと思って、あずまくんが買ったものを追っかけで買うという形で揃えてます。
今マイクのお話を伺いましたが、場所とか収録する環境で気をつけていることってありますか?
めっちゃ大事ですよね。最初使っていたマイクが感度の良いコンデンサーマイクで、リビングで録っていたんですけど、それだと生活の雑音が入りまくるという(笑)。しかも犬を飼っているので、犬が歩くチャカチャカとか入ったりして、これはまずいなと思って、ダイナミックマイクに変えて今に至る感じです。今はもう普通に自分の作業場で録っていて、全然防音とかもしてないんですけど、このマイクだったら単一指向性なので問題ないですね。
鉄塔さんは反響を減らすために後ろに写ってますけど(笑)。
コンデンサーマイクを使ってたときもYeti(イエティ) Nanoを揃えて使っていた時があるんですけど、その時は布団を持ってきたり紙を貼ったりしていて、でも結局駄目だったということで、後ろにあるのはその名残ですね。無いよりは良いんですけど。
Podcastですからリスナーの皆さんは見れませんが、鉄塔さんの背後に見えるのは、屋根の上の辺りに吸音材のスポンジですね(笑)。
はい。吸音材を置いて、これも位置をいろいろ調べて、下は元々物が多いからすでに吸音されていて、上で反響している音がうるさかったので、それをこの辺だなっていうのを確かめて釘を打ったりして取り付けました。賃貸なんですけど大丈夫でしょう(笑)。
そんなところからImage Clubをやってるわけですね。
意外とそこを頑張ってます。
でも、本当にちょっとやるだけでだいぶ変わりますからね。
そうですね。
結構、如実に変わりますよね。
マイクもやっぱりコンデンサーマイクよりもダイナミックマイクの方が良いですよね。
これはやってみて知りましたが、早く教えて欲しかったです。
編集ソフトは何を使われてるんですか?
編集は主にiPadを使ってまして、今使ってるのがFerrite (フェライト)というiPadのアプリがあるんですけど、それがPodcast的な喋る声を編集するためのアプリとして開発されていて、それをメインで使っています。
このアプリはデフォルトで入ってる?
買いました。ApplePencilで編集ができるので。元々はAudacityを使っていたんですけど、マウスで選択してキーボードで操作して消すみたいな作業がまどろっこしかったりして、他に良い方法がないかなと思って調べてみたら、海外のPodcastをやってる人たちが使ってるアプリで編集がペンで直感的にできる、すごくやりやすかったのでこれを使ってます。
初めて聞きました。iPadを持つ理由ができますね。
そうなんですよ。
Audacityは今使ってない感じなんですかね?
録音するときだけAudacityを使っていて、音の波形の大きさを揃えるとかコンプレッサーとかノイズリダクションとかの作業はまた別のソフトでやって、Auphonic Levelerというファイルを2、3個放り込んで実行ボタンを押すだけで、3〜4分ぐらいで自動的に音の大きさを揃えてくれるすごい便利なソフトがありまして、それを使っています。
Auphonic LevelerはiPadのアプリ?
Macとかのアプリですね。
僕、知らなかったです(笑)。僕はAdobe Auditionで編集を全部やっちゃってます。
収録はSHURE SM58というダイナミックマイクですけども、それにZoom H6という機材を取り付けてやっています。僕はあちこち移動して収録することが多かったので、パソコンとか持ち歩きたくなくて。収録はZoom H6でやって、あとは音声ファイルをパソコンにいれて作業しています。
僕の方が逆にパソコンの前にずっと座ってやってるのがしんどかったので、iPadで座りながらとかごろごろしながら編集しています。だいたいごろごろしながら編集していると寝ちゃうんですけど、でも電車で移動しながらとかもできるし、その機動性は良かったんで。
鉄塔さんはもう好きなことをお話して、あとはよろしくスタイルですよね。
恥ずかしながら(笑)。
でもサーバーサイドの提供をしてもらってます。
なるほど!
ファイルサーバーを自宅サーバで運用してまして、そこにデータ入れてそれをiPadで読むとか。そのぐらいです。
鉄塔クラウドがあるので(笑)。
良いですね、それ。
これ結構重要です。
重要ですよ。
送ってくださいとか毎回やりとりすることって結構大変なので、そこに置いとけばすべてあるみたいなのは重要です。
次に台本のことをお聞きしたいんですけど、台本はないですよね?
ないんですよね。あった方がいいですかね、やっぱり?
Image Castの場合はいらないんじゃないですかね。
やろうかなって話したりするんですけど、結局しっくりこないというか、メモぐらいは書いてますけど。1週間の間に起きたこととかを書き留めているものはあります。
話したいことリストというページをノーションで作っていて、そこに思うがままに書いていく。
何も書かれてないときもあるんですよ(笑)。
例えば土曜日のこの時間に収録しましょうとなってから、「今日この話をします?」みたいな形なんですか?
本当そんな感じですね。
そうですね。話しながら何か思い出したりとかして、結果的に良くなることもあるし駄目なときもあると思うんですけど、すごいテンションが低かったりとか(笑)。
朝だったら、僕が前日夜更かしをしていて、朝めちゃくちゃ眠くてテンション低かったこととかもあって、プロだったら許されない失態ですけど。
後半テンションが低くても悪くないということを、弁明してたりした回もありましたね。
なるほど。やっぱりアイドリング的に、前半20分はそういう会話をしていると。
そうですね、勢いをつけるという意味では。それで本当に駄目だったらもう配信しない、出さないということはやってます。
Podcastをスタートさせて、収録を始めて、編集し、表に出すというこの作業をしていく中で、何か分かったことや気付いたことがあれば教えてください。
最初にバズらないのが良いという話をしましたが、とはいえやっぱり数字がめちゃくちゃ気になっちゃう。特に最近Apple Podcastsのトップに取り上げていただいたんですけど、それで聴く人は結構増えて、それ以来、毎日エゴサーチしています(笑)。
再生数を見ちゃってこれはちょっと健康に良くないなと思って、その数字の呪縛から早く離脱したいです。なかなか逃れられないなっていうのありますけど、淡々と5年とか10年とかやってる人が一番かっこいい。そこを目指したいなと。
表に出ちゃうので気にはなりますよね。鉄塔さんは何かありますか?
数字でいうと、実は管理画面のことを聞いていなくて、あえて聞かないようにしてるんですけど、たぶん見れちゃうと見ちゃうかもなと思っているので、あえて見ない事で健康を保っているという側面があります。
どちらかというと、わからない事の方が増えていて、そんなにたくさんの人が自分たちの話を聴く理由が、実はよくわからない(笑)なんで聴いてるの?って。
言っちゃいましたね(笑)。
ちゃんと聴く価値のあるものを喋れてるんだとしたらすごい嬉しいんですけど、なんか不思議だなという気持ちがあって。なので、何千人とかの人に聴かせているというよりは、やっぱりあずまくんに対して話しているので、何ていうか不思議だなと。
ただ、嬉しいです。接点があまりないような人からも、実は聴いていますみたいな話とかを、人づてに教えてもらうと「そうなんだ」と思って嬉しいですね。
嬉しいですよね。
なんかすごく素朴なんですけど、そういう感覚です。
Podcastって敷居が高いというか聴くためのハードルがあるじゃないですか。YouTubeだったらTwitterで流れているリンクをポチっと開いたら、もうそこで再生できちゃう。見るという行為がすごいお手軽じゃないですか。そういう意味だとPodcastは結構面倒くさいので、そこまでやってくれてるありがたみがすごいですね。
メッセージを貰うであったり、リクエストを貰うであったり、リスナーの方と何かそういったやり取りはありますか?
もっとしていきたいんですけど、そこまでPodcastって反響というかフィードバックがないんですよね。メールとか来ないかなと思ってたんですけど、先日確認したら迷惑メールに何通かありました。すいませんって思ってます。
それでも、リスナーの方からのメッセージとかいただけるって、嬉しいですよね。
めちゃくちゃ嬉しいですね。あとはTwitterのハッシュタグとかついつい見ちゃうやつですけど、特に自分が知ってる人が聴いてくれていると嬉しかったりしますね。
あずまさん、鉄塔さんが感じるPodcastの可能性があれば教えてください。
個人的な可能性の話になってしまうんですが、ゲストで来てもらったりするとき、声をかける口実になるというか。ゲストで来てもらったら、実際1時間ぐらいはガッツリ話をしないといけないわけじゃないですか。意外とそういうふうにしてガッツリ、例えば物作りだったらその話をし続ける、みたいな機会ってそんなに無いなと思って。飲みに行ってもテーマを決めてガッツリ話すことってそんなにしないですよね。個人的には、自分がすごく良いなと思ってる人と話をするきっかけになるというのが、可能性として大きいです。
鉄塔さんはいかがですか?
まさにその通りで、今までだったら気後れしてメッセージを送ることすらしないような人でも話せるというのは、嬉しいなって思います。そういう人の声を残せる、喋ってみると多分文章では出てこないことっていろいろ出てくるし、あずまくんはやっぱり引き出すのがすごく上手なので、ゲストの話をあずまくんが引き出すのを聴くというだけでも結構面白い。
なんていうかやっぱり、文章と喋り言葉って思った以上に違うなって気づきました。思ったよりもというより全く別物だなって思うんですけど、そこが現状ではかなり埋もれていて出てこないものだと思ってます。
Clubhouseとかでかなり発掘されて、意外と喋るのを聴くって面白いと思った人も多いと思うんですけど、Podcast以外にも音声メディア全般に言えることだと思いますが、みんなもっと喋って欲しいし、喋ってるのを聴きたいというのを叶えてくれる素晴らしいツールだなって思います。
最後になりますけども、これからPodcastを始める方に何かアドバイスやメッセージがあればお願いします。
機材を買おう(笑)。
機材を買うとやっぱりテンションが上がるので(笑)。
あずまくんが「人生短いからオーディオインターフェイスを買った」というツイートをしていて、それだ!と思ったんですよね。
なるほど(笑)。
うん、ちょっと気になるなっていう人は、もう迷ってる時間はもったいないし、迷ってることすら喋っちゃえば、それはそれで面白いかもしれないので。なんていうか、人生短いという前提でやってみたり、別に飽きたとしても、やらずに飽きるよりは良いような気がします。
僕、Podcastをやろうかなと思ってた期間が多分半年ぐらいあったんですよね。
だいぶありましたね。
やり始めるまでが遅いタイプではあるんですけど、その時にさっさと始めていれば、今もうすぐ1年ですけど1年半続いたPodcastになっていたので、続けているということ自体に価値がついてくるのがPodcastなのかな、という気がしていて。
3年後とか5年後とかに、ずっと続いてるものを作りたいというモチベーションでやっているので、それだったらもう今始めちゃった方が良いよねって思います。
やってみようと思ったら機材を買ってやっちゃおうよと。
ポチるところまではわりとすんなりいきますよね。
5年続いてるPodcastって5年かけないとできないですし、「早く始めないと」ということですよね。
なるほど。ありがとうございます。今回はImage Castを配信しているあずまさんと鉄塔さんにお話を伺いました。
あすまさん、鉄塔さんありがとうございました。
どうもありがとうございます。
ありがとうございました。