食を面白く学ぶたべものラジオ(たべものRADIO) 兄:武藤太郎  / 弟:武藤拓郎 (Part.1)


食を面白く学ぶたべものラジオ(たべものRADIO)

このラジオは少し変わった経歴の料理人兄弟がたべものの知られざる世界をちょっと変わった視点から学んでいく食のエンタメラジオ番組です。

2021.7~【毎週火曜・金曜更新】

《話す人》 兄:武藤太郎  / 弟:武藤拓郎

《店》:掛茶料理むとう


オガワブンゴ
オガワブンゴ

今回は「食を面白く学ぶたべものラジオ(たべものRADIO)」を配信している掛茶料理むとうの武藤太郎さんと、武藤拓郎さんにお話を伺います。太郎さん、拓郎さん、よろしくお願いいたします。

武藤太郎
武藤太郎

よろしくお願いします。

武藤拓郎
武藤拓郎

よろしくお願いします。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

まずPodcastについて、どのような印象やイメージを持っていましたか?

武藤太郎
武藤太郎

商売柄仕込みの作業があるので、その時間にずっと聴きながら仕事をするというのがわりと定着しておりまして、とても身近な存在ではあります。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

拓郎さんも?

武藤拓郎
武藤拓郎

そうですね。作業しながら地元のローカルラジオはずっと聴いていたんですけど、やっぱり手元がフリーという所でPodcastと相性が良かったですね。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

次に「食を面白く学ぶ たべものラジオ」をやろうと思ったきっかけは何だったんでしょうか?

武藤太郎
武藤太郎

元々僕らが厨房で会話をする中で、食の成り立ちとか、そもそもこれってどんな料理なんだっけ?という会話をすることがよくあったんですね。家族で経営していますが、僕が元々歴史が好きだったものですから、例えば日本料理のお店であれば、緑茶が無料であるのは今は常識になってるけど、これっていつからなんだろうね?とか、元から有料じゃなかったら峠の茶屋は成り立たないよね、みたいなところをちょっと掘り下げたら、確かに江戸時代の時代背景はこうだし平安時代はこうだし、みたいな話をしていると周りが割と喜んでくれて。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

喜びそうですね。

武藤太郎
武藤太郎

お客様ではなくまず身内が喜んで、そんなことが続いていくうちにこれってもったいないよねという話になって、お客様の前で話すようになってメディアにとなった時に、一番最初はYouTubeを考えました。

武藤拓郎
武藤拓郎

Youtubeとかいろいろ考えたんですけど、編集の傍ら料理するというのは難しかったので、巡り巡って、やっぱり音声が楽だよねと。そこで音声にたどり着いた感じです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

なるほど。普段太郎さんがお話してる内容が、結果的にこの番組になったという形ですね。

武藤太郎
武藤太郎

はい、そうです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

面白い成り立ちですね。

武藤太郎
武藤太郎

なので、配信してる中でゼロ回としてアップしているものは、下調べがほぼ無しで厨房トークをそのままダイジェストでお話ししています。そして、ちゃんと配信するのであれば、しっかり調べた方が良いよねと思ってたら、1シリーズが5話とか10話とかになっちゃったっていう(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

お味噌汁の会とか僕も勉強になりました(笑)。

武藤太郎
武藤太郎

ありがとうございます!

オガワブンゴ
オガワブンゴ

僕はお味噌汁のことを飲むじゃなく食べるって言ってたなと。今でも食べるという感覚ですけど、そういうお話をされてますよね。

武藤太郎
武藤太郎

そうですね。ありがとうございます(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

この番組のタイトルを「食を面白く学ぶ たべものラジオ」にした背景というか、何を思ってこのタイトルにしたんですか?

武藤太郎
武藤太郎

まず僕はあまり考えてなくて、最後に彼(拓郎)が出してくれたのを、これで言っただけなんです。僕の感覚ではまずパッと見て何だかわかるものにしたい、それが一つだったのと、ラジオだよということで「ラジオ」をつけたかったんです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

なるほど。

武藤太郎
武藤太郎

これ流せるかどうかわかんないんですけど、僕は基本パクリでスタートするんです。

料理の業界でも「守破離」なんていう言い方しますけど、「守(しゅ)」から入るので、まずトップを走る方々のどこか面白そうな所で、ジャンルは違うけどスタイルが似ている所からもろパクリしてやれと。

当時、僕もCOTEN RADIOさんをよく聴いていたので、ロゴも響きもタイトルコールも構成も全てパクッたれと(笑)。怒られるかもしれないですけど、まずそれで学ばせていただき、後々にオリジナリティを出そうという思いがありました。タイトルに関してはいくつ候補があったんだっけ?

武藤拓郎
武藤拓郎

20〜30ぐらいは候補を出したかな。

武藤太郎
武藤太郎

最終的にふざけて、たべものラジオじゃストレートすぎるよね?と拓郎が言ったら僕が「それ」って。

武藤拓郎
武藤拓郎

一番最初につけたんです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

結局わかりやすいのが良かったっていうことですね、太郎さん的には。

武藤太郎
武藤太郎

そうですね、はい。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

拓郎さん的には複数の候補を出した中で、俺はこっちの方が良かったんだよな、というタイトルはありますか?

武藤拓郎
武藤拓郎

もうあまり覚えてないけど(笑)。もうちょっとひねったタイトルはありましたね。ひねったものや面白くふざけたものとかありました。

ただ一番最初に作ったのが「たべものラジオ」。もうストレートで良いかなという所から入ったので、面白くないかなと思い色々派生はしたものの、一番最初には敵わないなと。そのストレートさ、漢字ではなくて敢えてひらがなにした所が個人的に気に入っていたので。兄ちゃん(太郎)が良いというなら良いかと(笑)。本当にそのぐらいの気持ちですね。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

なるほど。飲食店をされてるお二人の番組として、すごくシンプルでわかりやすくて良いなって勝手に評価してます(笑)。

武藤太郎
武藤太郎

ありがとうございます(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

ちょっと脱線というか、何度も飲食店とお話させていただいてますが、番組の説明を読むと「少し変わった経歴の料理人兄弟」と書いてますが何がどう変わってるんでしょうか?

武藤太郎
武藤太郎

まだラジオでその話を一度もしたことないので(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

大丈夫ですか?ちょっとネタバレみたいなっちゃいますけど(笑)。

武藤太郎
武藤太郎

リスナーさんからも直接メールフォームがあるわけじゃないんですが、Twitterなんかを見ていると謎って言われてますね(笑)。僕たちが料理の世界にしっかり入ったのが2014年の中頃ぐらいなんです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

だいたい7年前とかそのぐらいですね。

武藤太郎
武藤太郎

はい。僕は前職がサラリーマン、バリバリ営業職です。15年くらいやっていたので料理人よりも圧倒的に営業の方がなじみがありますし、セミナーとかもやったりしていました。セミナーは営業の延長ですね。あと街作りの仕事で呼ばれたりとか、これは今もやってるんですけど、僕自身がいろんな所でいろんな人にお会いすると、本当に料理作ってるんですか?って言われます(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

そう見えちゃうんですね、やっぱり。拓郎さんは?

武藤拓郎
武藤拓郎

僕は地域おこしをしている会社で、地域初の株式会社というのが高知県にありまして、そこに掛川市の視察で父の代わりに初めて行った時にインターン生を募集してまして、もうそこで即決して行ってしまいました。道の駅とか地域の農業とか、農業の一次産品を使った商品開発、東京に外販に行ったりとか通販をやったりとかしてまして、料理は全くしてこなかったです。

武藤太郎
武藤太郎

しかも高専卒業ですし(笑)。なのでこの収録機材まわりのセッティングは全部彼(拓郎)です。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

なるほど(笑)。

武藤拓郎
武藤拓郎

そうなんです。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

そんな太郎さんと拓郎さんが配信されている「食を面白く学ぶ たべものラジオ」ですけど、どういったコンセプトなんでしょうか?

武藤太郎
武藤太郎

元々僕らがお店を経営するにあたって、料理は時代の変遷ももちろんありますが、エンターテイメントであっても良いだろうと考えているんですね。過去、食のために人が苦労していたのが、いつしか食自体が娯楽に変わっていくのがすごく面白くて、これをもっともっと発信していけたら、日常の中に楽しみができる。みんながディズニーランドに行くかのように、レストランを利用できる環境になるのが楽しそうだなと。ということが、まずお店のコンセプトにあったので、食をエンターテイメントにするという大方針の中に沿った道筋で考えていったらこうなりました。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

なるほど。配信スケジュールは?

武藤拓郎
武藤拓郎

火曜日と金曜日に配信ということは決めてまして、単純にとりあえず100エピソードを貯めようと。1年間週1回とか月1回だと、いつ100エピソードになるかわからないのでここはギュッと頑張ろうという、ただそれだけの理由で火曜日と金曜日配信と決めてます。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

週2回配信して、目指せ100エピソードということですね。

武藤拓郎
武藤拓郎

はい。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

配信している時間の尺というのはだいたい20分前後ぐらいかなって、パッと見て思ったんですけど、もっと長いものもありましたね(笑)。時間の尺は決めていたりしてますか?

武藤太郎
武藤太郎

一応20分で、最長30分を目安にというつもりでいます。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

57分とかありませんでしたか(笑)?

武藤拓郎
武藤拓郎

ありますね(笑)。

武藤太郎
武藤太郎

止まらなくなっちゃったんです(笑)。

武藤拓郎
武藤拓郎

二人だと気付いたらいつも調子で喋るんだよね(笑)。

武藤太郎
武藤太郎

そうなんです(笑)。厨房で話してるようになっちゃうと長くなってしまうんですね。

武藤拓郎
武藤拓郎

普段、厨房で話しているのはだいたい6時間から7時間ぶっ通しなので、雑談が。いろいろな話をしますけど、その調子でいくと1時間があっという間すぎて、あれっていう(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

他人と時間の感覚がちょっとずれてるのかもしれないですね(笑)。

武藤太郎
武藤太郎

確かにそうですね(笑)。

武藤拓郎
武藤拓郎

ずれてると思います(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

BGMはジャズっぽいんですけど、どちらが決めてこれでいこうとなったんですか?

武藤太郎
武藤太郎

ジャズが良いと言ったのと、最後にこれと言ったのは僕ですね。ただの趣味です(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

それを探したのが拓郎さん?

武藤拓郎
武藤拓郎

そうですね。僕も普段はジャズのバックミュージックが好きなので、それもあって10曲ぐらいを選んで。それを聞いてもらって、決めてもらいました。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

このBGMを使って、太郎さんの話を拓郎さんが聴いているという構図ですね。

武藤太郎
武藤太郎

そうです。

武藤拓郎
武藤拓郎

実は、このBGMを僕らは収録中も聞いてまして、いきなりラジオを収録するとなんだか固まっちゃうんです。話が盛り上がらなくなってしまったので、BGMを聞きながら話した方が調子が良いんじゃないかなと。このスタイルで自分たちが盛り上がって調子よく話せるような音楽を選んだ結果、これになったということはありますね。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

次に構成のことをお伺いしたいんですが、先ほど「守破離」の「守」で、雑な言い方をしちゃうと、丸パクリというお話でしたけど、構成に関してはどのような中身になってますか?

武藤太郎
武藤太郎

今試行錯誤中でして、それこそ味噌汁の回や胡椒については、そもそもがどんな食材なのかとか、あとは時系列でまずは進めるというスタイルでやりました。ただそればかりだと歴史専門の番組ではないので、あんまりそっちに寄りすぎても良くないなと思って、最近は時代をわざと飛ぶ回を作ってみたりとか、現代調理方法、栄養学だったりとかを間にバッサリと挟み込んで、そこから歴史を遡ってみるとかを、ちょっと今、構成は悩みつつ変更しつつやっています。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

やりながらフィットする形を探っているような形なんですね。でも、歴史だなって僕は思っちゃったんですけどね。

武藤太郎
武藤太郎

それは単純に僕が歴史好きだからだと思います(笑)。

オガワブンゴ
オガワブンゴ

すごく勉強になるし味噌汁の見る目が変わったりとか、ポン酢のこととか僕は楽しく拝聴してます(笑)。

武藤太郎
武藤太郎

まさにそれが伝えたいことですね(笑)。地元のリスナーさんで僕が直接わかる方々もお茶を大事に飲もうという気になったと(笑)。ちょっと流されそうなものにちょっとスポットを当てて注目してもらえるようになると、僕らだけではなくて、食の生産者さんたちも報われるというか、スポットが当たると良いなというのが一つ目標としてありますね。